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えひめエネルギーの会

《日 時》
2025年12月14日(日)13:35〜15:10
《会 場》
いよてつ髙島屋7階 キャッスルルーム(愛媛県松山市湊町5丁目1-1)
《テーマ》
エネルギーの「今」と「生活」を考える

狭い国土で資源がない日本。私たちの暮らしを支えてくれるエネルギーについて、どのように考えていけばよいのでしょうか。エネルギーにまつわるさまざまな最近の出来事から、将来に向けた考え方について、石川和男氏(政策アナリスト・社会保障経済研究所代表)にお話を伺いました。

講演
エネルギーの「今」と「生活」を考える

再エネ開発で起きた最近の問題 

エネルギーについては原子力発電や火力発電の安全対策ももちろん必要ですが、最近のニュースでは再エネについても問題になっています。FIT(固定価格買取制度)の中で最もシェアを占めるのが太陽光で、次が風力です。太陽光と風力の一番大きな違いといえば、太陽光はパネルや配線ケーブルを屋根や地面に設置するだけでできますが、風力の場合は巨大な設備のため工事の需要が発生します。風力発電事業の開発が決まった地域では、それに付随して、業者の宿泊先、買い物施設、物流施設なども必要になります。政府は2020年に洋上風力発電において第一ラウンドの3プロジェクト(千葉銚子・秋田能代三種男鹿・秋田由利本荘)の事業者を公募し、翌年、3海域すべてで三菱商事コンソーシアムが競合事業者と比べ破格の安価で落札しました。しかしその後、資材価格の高騰などインフレによる事業環境変化により、今年8月に開発中止を決定し、その結果、長期的な地域振興、雇用創出などを計画していた各地域はダメージを受けています。企業原理からすれば、採算が取れない事業から撤退するのは仕方がないことで、政府が、最初の落札価格から景気変動をかんがみ、柔軟に対応できるようなルール作りをしておくべきだったのです。

その一方で、自然環境規制についてはルールが緩いと思います。太陽光発電のメガソーラーについては以前から問題視されていましたが、最近、釧路湿原周辺のメガソーラー開発に環境保護の観点から批判が寄せられており、工事は中断されています。また長崎県五島列島の宇久島では島の1/10の土地に太陽光パネルを設置する大事業が進められており、人口が減少している離島では、未使用の土地をそのまま寝かせておくより、事業者に貸し出して運用した方が土地の方たちにとっては利益になると思います。ただし、太陽光パネルの寿命は20〜30年と言われているため、将来世代の負担にならないように気をつけなければなりません。もっと問題なのは、千葉県鴨川で山の急斜面で行われているメガソーラー開発です。大雨による土砂災害リスクがあり、開発を許可した行政側の責任が問われていますが、すでに森林が伐採されているため、原状回復もできない状態で中断しています。太陽光については住宅の屋根に取り付けるパネルならば、パネルが重く屋根に密着しているので台風が来ても飛びません。ただしビルなどの平な屋上に斜めに置くと風で飛ぶので安全対策が必要です。

乱開発が進むメガソーラーですが、日本の太陽光発電は世界の中で規模が大きくなっています。国土面積あたりの太陽光設備容量は、日本とほぼ同じ国土面積で再エネ先進国のドイツの次です。ところが平地面積あたりの太陽光設備容量は世界で一番です。また再エネ導入容量では世界で6番目ですが、太陽光導入容量では、広大な面積の中国、アメリカに次いで3番目で、その上、インドやオーストラリアよりも多いのです。



国土面積あたりの太陽光設備容量と■平地面積あたりの太陽光設備容量  


再エネをより普及させるために2012年に国がFIT制度を導入し、再エネで発電された電気を買い取ることを電力会社に義務付け、買い取りにかかった費用が毎月の電気料金に賦課金として載せられ徴収されています。2025年度の再エネ賦課金は3.1兆円の見通しです。3.1兆円といえば、消費税額が年間で約30兆円と言われているので、その1/10に相当します。つまり消費税1%分を再エネに投資していることになります。社会保障の税源の消費税は、税金ですから払わないと法律で罰せられますし、国会を通さなければなりませんが、賦課金は税ではないので国会審議はなく、それでも電気料金の一部としていわば強制的に徴収され、電力会社が全額を国の指定機関に納付しているのです。たとえ日本が経済大国だからといって、私はここまで再エネにお金をかけていいとは思いません。


進みつつある原子力発電の再稼働

福島第一原子力発電所の事故後、少しずつですが各地の原子力発電所の再稼働が進んでいます。とはいえ、国は原子力を最大限活用する、再稼働を推進すると言っているのに、規制が厳しすぎるように思えます。危険という意味では、火力発電や太陽光発電もリスクがないわけではありません。東北電力女川原子力発電所では2号機が2024年に再稼働していますが、来年12月から1年8カ月間の運転停止が予定されています。その理由はテロ対策施設(特定重大事故等対処施設)の工事のためです。福島のような事故を2度と起こさないための震災対策のはずが、大型航空機衝突などのテロも震災対策の一部なのかと疑問を持ちます。せっかく再稼働して東北電力管内の電気料金を下げようとしているのに止めるのは、行政の方針がおかしいですし、それを報道しないでマスコミにも疑問を感じます。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所については、再稼働を新潟県知事が容認を表明していますが、7号機まであるうちのまだ1号機だけです。今後、データセンターの増加により電気の需要は確実に増加します。データセンターでは必要な時に人の意志と手で電気がつくれる安定電源が必須のため、自然任せの再エネでは役に立ちません。再エネによる電力を蓄電池で利用するのも、防災時には役に立つかもしれませんが、高コストになります。電気料金に関して注意が必要なのは、柏崎刈羽原子力発電所が再稼働しても電気料金は下がりません。実は、2023年の電気料金改訂時に6号機、7号機の両方の再稼働を織り込んで値上げ幅を抑えているため、再稼働しても値段を下げられないのです。このこともマスコミは報じていませんでした。

北海道電力の泊原子力発電所では、3基あるうちの3号機の再稼働を道知事が容認しています。北海道電力の発表によると、原子力の再稼働により化石燃料が削減されるため、家庭向け電気料金は11%程度、月1,000円程度の値下げをすると言っています。ただし値下げには条件があり、物価上昇や金利上昇で資金調達に伴う利益負担が増加するので、これらが整った上での値下げです。確かに化石燃料のうち、ガスは液化してから船で運び、コンビナートで気化するためコストがかかります。また石炭は単価は安いですがCO2排出量が多く、石油は安価が魅力でかつては火力は発電の主流でしたが減少しました。オイルショック以後、石油依存から離脱するために石炭利用に戻ったり、天然ガスや原子力を利用するようになったからです。

現在電気料金が安くなっているのは原子力発電の再稼働が進んでいる九州電力と関西電力、それに水力発電による北陸電力です。北陸電力の志賀原子力発電所が再稼働すれば、さらに安くなるでしょう。エネルギーの地産地消という意味では、四国では伊方原子力発電所の3号機は再稼働しましたが、1、2号機は廃炉のため原子炉を増設してもいいのではないかと考えます。まずは政府がエネルギーの安全保障の点からも原子力を主導しなければいけないと思います。


■原子力発電所の現状  

人口減少でも電力需要が増加していくのはなぜか

今年10月末に経産省から発表された2025年度/2026年度の電力需給見通しによると、26年の夏は東京エリアのみ需給が逼迫し、電力予備率が最低限でも必要な3%を下回り0.9%と予測されています。需要が増加するのに供給が足りなくなるからです。東京エリアでは、福島の事故後、原子力発電が一基も再稼働しておらず、さらに火力発電所の補修や休止が重なるのが原因とされています。今はすべてが電気で動いているので、停電するとトイレの水も流せず、リモコンで給湯するお風呂にも入れなくなり、衛生状態の悪化が懸念されます。

2013年度を起点として、日本の最終エネルギー消費量は減ると推定されています。人口減少によるものです。エネルギーのうち燃料の大部分は 自動車、次が船、航空機といった運輸部門です。一方、電力需要は2023年度には少し減っていますが、40年度には増加し、発電電力量も増加する見通しです。その理由はデータセンターの増加によるものです。日本では国民すべてに割り当てられた個人番号が記載されたICカードのマイナンバーカードの申請受付が2016年に始まり、21年にはデジタル庁が創設され、デジタルトランスフォーメーションDXが推進されています。またスマートフォンの高性能化や高速通信の普及で、大量のデータ通信が可能になり、動画視聴、オンラインゲーム、SNSの読み込みなども増加し、データのクラウド上での保管が増えています。その結果、データセンターの需要が増加し、今後も世界中でデータセンター関連の電力需要の増加が予想されています。


■エネルギー需要の見通し  


政府は2040年度の発電電力量の内訳として、再エネ4〜5割程度、原子力2割程度、火力3〜4割程度と考えています。再エネを主力電源化に想定している政府ですが、自然条件に左右されるので私は無理ではないかと思います。安定供給でき、電気代が安く、CO2も排出しない原子力の再稼働をもっと早く進めないと、安定供給、安価ではあるもののCO2排出量が多い火力の割合が現状の7割近くのままずっと続くことになります。

世界を見ると、一次エネルギー供給量のうち、再エネは近年急に増えていますが、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどすべてが束になっているだけで、石油、石炭、天然ガスの化石燃料には到底及びません。そして再エネのデメリットといえば、発電に広大な面積が必要な点です。2018年の資源エネルギー庁のHPに資料が掲載されていますが、太陽光と原子力のエネルギーをわかりやすく比べると、30万世帯分の電力を安定供給できるのが原子力1基100万kWと言われ、同じ出力の太陽光パネルを敷き詰めると東京の山手線1周分の面積に当たります。風力はそれより必要で3.4倍の面積です。原子力も火力も発電所の大きさはさほど必要ではありません。もちろん太陽光、風力の燃料費は不要で国産エネルギーですし、CO2の排出もないですが、人類にとって主要なエネルギーになるとは言えないでしょう。日本は国土が狭く、資源もないわけですから、安定供給にはエネルギーミックスを考え、火力も原子力も必要だということを、皆さんも今一度考えていただきたいです。また原子力が再稼働すれば、再エネ賦課金分が相殺される時代がくるのではないかとも思っています。


石川和男(いしかわかずお)氏プロフィール

政策アナリスト・社会保障経済研究所代表
1965年福岡生まれ。84~89年東京大学工学部資源開発工学科。89~2008年通商産業省・経済産業省・内閣官房(電力・ガス自由化、再生可能エネルギー、環境アセスメント、国内石炭鉱業合理化、産業保安、産業金融・中小企業金融、割賦販売・クレジット、国家公務員制度改革などを担当)(退官前後より、内閣府規制改革委員会WG委員、同行政刷新会議WG委員、東京財団上席研究員、政策研究大学院大学客員教授、東京女子医科大学特任教授、専修大学客員教授などを歴任)。11年~社会保障経済研究所代表(これ以降、多くの企業・団体の役員、顧問などに就き、現在に至る)。20年~22年経済産業省大臣官房アドバイザー。21年~北海道寿都町・神恵内村地域振興アドバイザー。22~24年BSテレ東「石川和男の危機のカナリア」アンカー。23年〜ニッポン放送「石川和男のポリシーリテラシー」アンカー。24〜25年BS日テレ「数字で知る日本の今」アンカー。現在、テレビ・ラジオ・ネット番組等でコメンテーター、クイズ番組回答者として出演多数。実業として、幼児・小学生・高齢者向け脳育事業、ベンチャー投資など。著書に『原発の「正しいやめさせ方」』(PHP新書)など。

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