全国で唯一の県庁所在地に立地する島根原子力発電所2号機が、やっと待ちに待った再稼働である。2012年1月に運転停止をして以来、約13年の歳月を経て12月23日に再稼働し、2025年1月10日に営業運転を再開される予定である。
実は2010年1月に発覚した点検不備問題により「原子力安全文化有識者会議」が設置され、ETTメンバーの増田明美さんとともに、地元有識者として参加していた。その間、東日本大震災もあり、原子力を取り巻く環境も様変わり、会議の内容も変わっていった。
私はこの発電所に毎年平均で4~5回、多い時には10回を数えることもあるぐらい足を運ぶ。かなりの推進派と思われるが「良い・悪い」ではなく、多くの人に実際に見学をしてもらい判断してほしいと切に思っているので、機会を作り見学をしてもらっている。
島根には他に1号機と3号機があり、1号機は福島と同じ型式の国産第一号だったが、運転期間が41年経過だったため廃炉措置になった。3号機は稼働前の最終段階であの日を迎え、新規制基準を満たすための対策に追われ、今は稼働を静かに待っている状態。
島根にはもう一つ話題がある。昨年のこのHPの地域活動紹介にて、松江エネルギー研究会の視察で「三隅発電所」と「さんべ縄文の森ミュージアム」を紹介していただいた。この小豆原埋没林という4000年前の縄文の森は三瓶山の噴火により一瞬にして缶詰状態になった。根っこからそのまま立ったままの状態が見られるのは世界的に見ても稀有な施設である。この公園の施設に立ち寄っても外観からは何も見えない。しかし一度この施設に足を踏み入れ、階段を下っていくと眼下に見渡せる縄文の幹回りが7mもある樹々たち。もっと広く見ていただき、高レベル放射性廃棄物の考え方に繋げられるように、いろいろな方面から考えていこうと思っている。
(2025年1月)