日本のエネルギー自給率は、2010年は20.3%ありましたが、様々な要因が重なり、2018年は11.8%とOECD加盟国の中で低水準となっています。
自給率が低い大きな原因は、国内にエネルギー資源が乏しいことですが、石油・石炭・天然ガス(LNG)など化石燃料に大きく依存している日本は、今後どのようにエネルギーを保持していくのかを考えていく必要があり、ある程度は原子力発電に頼らざるをえないのではないかと思います。
2021年4月14日の原子力規制委員会の定例会合で、東京電力柏崎刈羽原発の運転禁止命令が決定されました。決定理由は、テロの標的に成り兼ねない放射性物質の防護体制の不備が相次ぎ発覚しているとの事でした。東日本大震災が起こるまでは、化石燃料に頼らない、クリーンなエネルギーとして、原子力発電を推進してきた日本でしたが、自然災害とはいえ、180度変わるほどの政策がとられる事については疑問が残ります。
一方で電力会社には、1%もミスは許されないのだという気概を持って、運転をしてほしいとも願っております。
現状の国内エネルギー事情と自然災害やテロなどに対してのリスク管理を並行しながら将来に向けて是々非々で議論を重ね、よりよい方向性を見つけなければ、経済の発展もなければ日常生活の安心にも繋がらないと考えます。
今や、何をするにも、電力が必要です。日本人は、コンセントにさえ差し込めば、電気は来るのが当たり前と思っています。
菅総理が、「温室効果ガスの輩出を2050年に80%削減し、今世紀後半の早い時期に脱酸素社会を実現する」と表明されておりますが、どのような電力にしようとするのかは、具体的に示されておりません。原子力発電にも頼らないと、実現しないと思っておりますので、是非、万全の注意を払って稼働できるように、また、電力会社が安全でクリーンな新しいエネルギーを考えて頂きたいと切に願います。
(2021年4月)